熊本土産のからし蓮根など、素材にこだわった郷土の味を販売しています。
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郷土の味、新旧揃う。

バッテラ〆蒲イメージ

 新緑がぐんとのびるこの季節。夏の足音がもうすぐそこまできています。慌ただしくすぎる毎日のなかで、時間的、精神的な余白を見つめなおしている人も多いかと思います。いま私たちに必要なのは、心をふう、とゆるめる時間かもしれません。

 「ふくたび」編集部が少し遠くへお出かけしようと思ったとき、今いちばん行きたいのはやはり阿蘇でした。長い冬を越え、春に芽吹いた緑の草原。高い山から吹く風の音。たぷたぷと水の張られた田んぼはうつくしく、放牧される牛たちを見ているだけで、胸がときめくのです。そんな今しか見られない風景を五感いっぱいに味わいながら、阿蘇市・内牧で暮らす方たちと触れ合ってきました。

ぷんぷんに膨れ磯の薫りが満ちていく

天草ちくわが焼きあがる

 広大な阿蘇の草原は、長い間、人の手によって維持されてきました。圧倒的な自然を前にすると、人はなぜだか素直になるものです。取材に訪れたのは5月の半ば。3月の野焼きで真っ黒になった山肌が、夏にかけて、緑のじゅうたんのような草原へと変化しているころでした。阿蘇のフレッシュな空気を思いきり胸に吸い込んで、阿蘇の雄大さにとことん浸りましょう。

大観峰のあか牛

標高935メートルの大観峰(だいかんぼう)はドライブルートの定番スポット。レストランや売店展望所からは阿蘇五岳(あそごがく)からくじゅう連山までが一望でき、内牧方面を見渡すことができます。ちなみに秋から冬にかけては雲海に出合えるチャンスも。

内牧温泉街

内牧温泉街

古くからの温泉街として栄えた内牧。街のあちこちに旅館やホテルが立ち並ぶ。

 景勝地・大観峰(だいかんぼう)からのルートで、今回の目的地である阿蘇市内牧へ。350?におよぶ世界最大規模のカルデラの湾入地形のなかにある内牧は、阿蘇五岳の眺めと、良質ないで湯が愛されてきた温泉郷で、かつては文人墨客も多く訪れた歴史ある土地。そんな情緒ある温泉郷の商店街は、老舗食堂やカフェ、雑貨屋などが立ち並ぶにぎやかな通りになっています。

のどかな雰囲気の内牧商店街、海外からの観光客も多い。

レトロな商店

のどかな雰囲気の内牧商店街、海外からの観光客も多い。

内牧温泉街

内牧商店街のシンボル、巨大な椅子。こんなアイデアを生みだす商店街メンバー、そのユニークさが伺い知れます。

 最初に訪れたいのが、創業100年を越える老舗「いまきん食堂」。1世紀もの間地元の方に愛される人気食堂ですが、町おこしの一環として商品開発された「あか牛丼」が大ヒット! この丼ぶりを目当てに内牧に訪れる人が後を絶たず、まさに全国からお客さんを呼ぶ逸品となっています。「あか牛をたくさん消費することで畜産農家が増え、阿蘇の草原を保持することにもつながります」とは、店主・今村聡さんの言葉。思わず、先ほど目にした、緑あふれる大観峰の景色が脳裏に浮かびます。

店頭に並んだ天草ちくわ

いまきん食堂は平日でも平均30分待ちのお客さんが並んでらっしゃいます。

いまきん食堂の一番人気メニュー「あか牛丼」

いまきん食堂の一番人気メニュー「あか牛丼」、レアな肉の赤身がたっぷり味わえます。

阿蘇の名物、阿蘇高菜を使った高菜チャーハン。

阿蘇の名物、阿蘇高菜を使った高菜チャーハン。

隠れた人気メニュー「ちゃんぽん」

隠れた人気メニュー「ちゃんぽん」、だしの効いたスープでほっこり。

いまきん食堂、今村夫妻

明治43年(1910)創業の「いまきん食堂」。初代店主、今村金三さんの名前からとった店名です。レア状に焼いたあか牛をびっしり敷き詰めた「あか牛丼」(1,740円)は、1日最高600杯以上出たこともある名物丼。やわらかな肉の食感がたまりません。写真は4代目店主・今村聡さんと奥さま。

いまきん食堂
 〒869-2301 熊本県阿蘇市内牧290 Tel.0967-32-0031
営業時間:午前11時〜午後3時 定休日:水曜日、第3木曜日

いまきん食堂、今村夫妻

 途中立ち寄ったセレクトショップ「グランド・ゼロ」のオーナー・中村洋史さんは、内牧温泉街繁栄会の会長でもある方。
 内牧商店街の魅力を、「花屋や酒屋、銀行などが商店街の中心に残り、地元の方にとっても大切な場所。ふだんの暮らしのようすも感じていただければ」と語ってくれました。

いまきん食堂、今村夫妻

リラックスできる大人の日常着をそろえる「グランド・ゼロ」。中村さんの確かなセンスと楽しい会話を目当てに、地元の方が通う店です。「地元の方と観光の方が共存できる温泉街を目指したい」と話します。

グランド・ゼロ
〒869-2301 熊本県阿蘇市内牧225-1
定休日:火曜日 営業時間:午前11時〜午後6時30分

維和島(いわじま)で
日本一早いサラ玉を味わう。

 商店街を出たあとは、地域と密着した営みに取り組むふたりのキーパーソンを訪ねました。昔ながらの商店を経営しながら、地域の魅力を発信し続ける「鎌倉商店」の代表・鎌倉吉孝さん。鎌倉さんは店づくり以外にも、「安心して美味しく食べられるものをつくりたい」という想いから、無農薬の米づくりや酪農に挑戦したり、オリジナルのお酢や焼酎づくりに関わるようになりました。
 家族との豊かな暮らしをとおして、見えてきたのは地域の未来。「子どもたちの未来を考えることが地域を想うことにつながっていく。無意識に口にするものは安全なほうがいい。選べる≠ニいうことにとことん向き合ってみることが大事」と教えてくれました。

鎌倉商店オリジナル焼酎メイ

鎌倉商店 鎌倉吉孝さん

鎌倉商店 鎌倉吉孝さん

2019年2月に誕生したばかりの阿蘇有機玄米焼酎「メイ」は、生産組合「ASO北外輪ファーム」の皆さんがつくる有機玄米を使用。香り高く、口あたりがとてもまろやか。お土産におすすめです。
1,000円(375ml)、1,800円(720ml)

鎌倉商店
〒869-2235 熊本県阿蘇市狩尾1273-1
営業時間:午前7時〜午後7時

 全国でも有数の米づくりに適した土地・内牧。そのダイナミックな地形を活かした米づくりを行う「内田農場」の内田智也さん。地域農場の受け皿となり、必要とされる人に必要とされる米、喜ばれる米をつくっています。

田園風景

 「仕事が大変で、儲からないと言われる米農家。うちも水害や地震の影響をダイレクトに受け、確かにこんなにキツイことはないと思ったこともあります(笑)。けれど何事にも変えられない収穫の喜びがあり、また明日も朝から田んぼに行けることにわくわくが止まらない。今でもです。こんな仕事はほかにないですよ」。鏡のように輝く田んぼの水面を眺めながら、旅の帰路。「佳い日」の余韻をひしと噛み締めた、夏のはじまりでした。

内田智也さん

ITを使った農業に取り組み、販路を拡大した内田農場。業務用や酒米など多品種を手がけます。代表の内田智也さんは、全国からも注目される若手農家のひとりです。

内田農場

取材・写真・文 福永あずさ

 

九州地図

内牧までのアクセス

□ 車でお越しの場合(各IC〜人吉IC)
・ 熊本空港より 約50分
・ 熊本駅より  約1時間20分
・ 熊本ICより  約1時間
・ 福岡ICより  約2時間20分
・ 長崎ICより  約3時間
・ 佐賀大和ICより 約2時間
・ 大分ICより  約1時間40分
・ 鹿児島ICより 約3時間
・ 宮崎ICより  約3時間

内牧マップ

大観峰からの内牧

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